■不起訴事件での供述調書の取寄について
いつもお世話になってます。
早速ですが,質問させていただきます。
刑事の不起訴事件記録について,原則として「実況見分調書」及び「その添付写真」のみの取寄嘱託が可能かと思います。
ですが,先程事務員マニュアル本を見ておりましたら,
"一定の要件を充たす場合には「供述調書」の取寄も可能となりました"
の記載がありました。・・・本当でしょうか?これが事実であれば今すぐにでも取寄をしたいです。
実際にされた方や出来ますよ!と自信をもて仰れる方はいらっしゃいませんか??
ちなみに参考資料はパラリーガルクラブの『簡単実務マニュアルⅠ』(P60)です。
ご回答よろしくお願いいたします。
12/17 19:36 http://www.moj.go.jp/HOUSO/houso19/houso19-02-02.pdf の4...
http://www.moj.go.jp/HOUSO/houso19/houso19-02-02.pdf
の4頁以降に法務省の指針が出ています。
あくまでも「送付嘱託」の話で、23条照会じゃダメでした。
8/4 3:38 私は、法律職従事者ではなく、志願者でもありません。 ...
私は、法律職従事者ではなく、志願者でもありません。
なので、パラリーガルクラブの『簡単実務マニュアルⅠ』
という書籍は、知りません。
しかし、私は、本人訴訟の原告として、不起訴事件の刑事記録
中の被疑者ではなく「被害者の供述調書」の入手に成功しました。
しかも、一度は「不起訴であるから、刑事訴訟法47条により
送付不相当である旨を通知します。」と拒否されましたが、2
度目の送付嘱託申請を行い、裁判官が「じゃ、もう1回だけ、
検察庁にお願いしてみましょうかね。」ということになりまし
た。そしたら、地検は高検に判断を仰いだらしいです。1度目
に拒否された時は5日ぐらいで回答がきましたが、今回送付と
なった2度目の送付嘱託に対しては、3週間程、待たされまし
た。まず、訴訟の概要からご説明したいと思います。
1 民事訴訟の概要
① 交通事故を原因とする加害者への賠償請求と保険会社
に対する保険金請求(人身傷害)で、私が原告です。
② 私は、高速道路を走っていた車の助手席に乗っていて、
前を走っていた大型のトラックの荷台から、畳ぐらいの
大きさのベニヤ板が飛んできて、こちら側車両に直撃し
ました。その時私は、シートを倒してハンカチで目を隠し
て仮眠しており、急ブレーキで全身が前に滑り左膝をダッ
シュボードで強打して、半月板損傷という怪我を負いまし
た。
③ その後、トラック側の保険会社から一応の補償を受けま
したが、自賠責保険は、荷物を落としたトラックの運転手
にも、私が助手席に乗っていた隣の運転者(今回の被告)
にも両者に責任があるとう判断でした(共同不法行為)。
④ 自賠責保険から2口の後遺障害保険金を受け取り、トラ
ック側保険会社と示談をし、私が乗っていた車両に契約が
あった自動車保険の搭乗者傷害保険の後遺障害保険金を受
け取りました。
⑤ そこでまず、私が助手席に乗っていた車両の契約である
人身傷害保険金の請求で、損害保険会社を訴えました。被
告の損保会社は、訴状受取後に、刑事事件の結果を検察庁
に照会しました。
⑤ 私が助手席に搭乗していた車両の運転者と私の2名が被
害者として、警察で調書を取られました。前から荷物を落
としたトラックの運転手だけが被疑者として検察官送致さ
れ、不起訴となり、刑事事件は終結しているということで
した。
⑥ 私の訴えに対し、被告の損保会社は、「今回の事故で、
原告(私)が膝を強打した事実はない」と言ってきました。
一応、この段階では、私が乗っていた車両の運転者が証人
として、「原告が今回の事故で、膝を打つようなことはな
かった」と陳述書を出してきました。不起訴である事を確
認できた事による、典型的なパターンです。
⑦ 結果的に入手できた供述調書ですが、その内容は、「急
ブレーキをかけたとき、助手席の原告(私)が前のめりにな
って膝をダッシュボードで打ちました。」という供述があ
ります(警察署で読み上げられたので知っていました)。
⑧ 助手席に乗っていた私は、隣の運転者を加害者として提
訴し、更に、その使用者である会社を民法715条と自賠
法3条にて、提訴しました。既に継続している保険金請求
訴訟と併合されました。
原告 私 被告 某損害保険会社 (保険金請求)
原告 私 被告 運転者とその会社(損害賠償請求)
・・・・・2件が、併合されました。
⑨ 争いの状況を整理すると、被告損保会社は、「今回の事
故で、原告が負傷した事実はなく、ダッシュボードに膝を
強打した事実も存在しない。」と主張して、被告運転者も
同様の主張をしています。
しかし、私の主張は、「被告らは、本訴提起後に態度を
変えるに至っているが、本訴提起以前は、原告の訴えを全
て認めており、搭乗者傷害保険金を既に支払っており、こ
れは、不合理な弁解に過ぎない。」とう内容です。
⑩ そこで、検察庁に対して、以下のような送付の必要性を
説明しました。
注意:加害者=私同乗車の運転者
ここでは、「加害者」と言っていますが、刑事記録の
中では「被害者の供述調書」の供述人です。
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送付嘱託されるべき特別な理由について
1.本件訴訟は、本件刑事記録中の供述者である加害者に対し、
被害者が原告(私)として損害賠償を求めると共に、同被害
者(私)が、保険会社に対して保険金請求を行うものであり
ます。
2.加害者の員面調書による供述内容
① 事故直前の速度は、約90キロぐらいでした。
② 助手席の私(原告)が前のめりになって膝をダッシュボ
ードで打ちました。
(なお、この内容は、被害者である私(原告)に対する取り
調べ時において、先に取り調べた加害者の供述内容について
警察官がこれを読み上げたことによるものです。)
3.加害者の当該民事訴訟における陳述内容
① 私は、時速約100キロメートル位で走行していました。
② ベニヤ板の衝突の衝撃で、助手席の原告(私)が体をいた
めるとうことはありません。
③ 助手席の私(原告)が体を車体にぶつけたとか、痛いとか
は言っておりませんでした。
④ 膝をダッシュボードにあてることも、首を痛めることもな
い筈です。(加害者の陳述書添付)
4.不起訴事件の刑事記録につきまして、原則、被害者等の供述
調書は開示されていませんでした。しかしながら、平成16年
5月31日付の法務省刑事局長通達(法務省刑総第627号)
によりますと、以下の条件全てを満たす事案に限り、開示を認
めるという運用に至っております。
① 民事訴訟による文書送付嘱託の手続によること
② 当該供述調書の内容が、当該民事訴訟の結論を直接左右する
重要な争点に関するものであって、かつ、その争点に関するほ
ぼ唯一の証拠であるなど、その証明に欠くことができない場合
であること
③ 供述者が死亡、所在不明、心身の故障若しくは深刻な記憶喪失
等により、民事訴訟において、その供述を顕出できないこと、
又は当該供述調書の内容が供述者の民事裁判所における証言内容
と実質的に相反する場合であること(今回は後者に該当)
④ 当該供述調書を開示することによって、捜査・公判への具体的
な支障又は関係者の生命・身体の安全を侵害するおそれがなく、
かつ、関係者の名誉・プライバシーを侵害するおそれがあるとは
認められない場合であること
5.今回の送付嘱託につきましては、事故状況に関する供述につ
いて、捜査段階での供述が、民事訴訟で為される供述と食い違
う事が明らかでありますことから、不起訴事案ではございます
が、送付嘱託されますようにお願い申し上げます。
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送付嘱託申立て時に添付した、送付を要する特別な理由という
ことで、書き加えた内容です。
今回のお話は、不起訴事件の刑事記録の供述調書を入手という
観点からお話ししましたので、「普通に走ってて荷物が直撃した
という後方の車両運転者に責任があるのが、おかしい」とか、
「前のトラック側と示談をしているのなら、それ以上の請求は
難しいのでは・・」等と思われた方もあるかと思います。
しかし、そこはしっかりと、数字と法律論を説明できますが、
今回は、割愛させた頂きます。
最後に、保険会社や雇い主の会社側は、「不起訴で1回送付な
しで回答が来てるんだから、供述調書は手に入らない」と余裕の
態度でした。しかし、「私が膝を打った」と供述しているその供
述調書が送付されましたので、「膝を打つことはなかった」とか
「けがをした事実はない。」とこれまで、散々言ってしまってい
るので、損保側と会社側の2名の弁護士は、「普通は調書、不起
訴なら出さないんだけどなぁ~」って、結構、真っ青になってま
した。
一度拒否された事を考えると、非常に稀なケースだと思います。