■アエルからエヌシーキャピタルへ債権譲渡された過払金の返還請求
エヌシーキャピタルから送付された取引履歴で計算したところ、200万円近い過払金が発生したため、同社へ全額返還請求しました。
エヌシーキャピタルから、
「アエルから譲受した債権なので、アエルの再生開始までの取引はアエルへ請求してください。それ以降の入金分は、当社が対応しますが、返還は3割弱、入金は来年5月」との回答です。
アエルの再生債権は、5%しかないので、数万にしかなりません。
もともと依頼者からは、ネットカードに対する負債と聞いており、同社へ受任通知を出したところ、すでにエヌシーキャピタルに引継がれていると言われ、その後、前記回答が届きました。
債権譲渡の内容がわかる資料は何もありません。
エヌシーキャピタルの言うとおりにしなければならないのでしょうか。
2/16 17:45 アエルに対する過払い金は、民事再生手続によって原則とし...
アエルに対する過払い金は、民事再生手続によって原則として過払い金の5%しか返還されない扱いとなりましたが、例外がいくつかあります。
一番わかりやすい例外は、アエルに民事再生手続開始決定があった2008年3月27日以降にアエルに支払った過払い金(つまり2008年3月26日時点ですでに過払いとなっていた人が、その後も支払いを続けた場合)です。これは、再生手続で債権カット対象になりませんから、アエルに請求すれば全額に受領の日から年5%の過払い利息も付けて戻ってきます(こちらの窓口はアエル東京センター:電話 03-3837-1396 FAX 03-3837-1492)。
アエルは、破綻前からいくつかの貸金業者に債権譲渡をしていました。多くの場合は、債権譲渡後は貸金を譲り受けた貸金業者に支払うようになり、貸し借りの関係が破綻前にその貸金業者に移る形になっています(債権譲渡前の過払い金も移るかについては、ハードルがありますし、熾烈な戦いになりますが)。しかし、J.P.モルガンに債権譲渡したものは、債権譲渡後も返済の窓口はアエルのままでした。その場合は、借主のところにはアエルとJ.P.モルガンの連名で債権譲渡の通知が送られていますが、その後も返済はアエルにしてくれと書かれています。アエルはその受け取った返済金をJ.P.モルガンに渡していたわけです。これはアエルの民事再生手続申立の2年くらい前にそのような手続が行われています。アエルの民事再生手続申立後、J.P.モルガンは返済窓口をネットカード株式会社に変更して借主にその通知をし、その後債権をさらにエヌシーキャピタルという(ネットカードの関連会社の)貸金業者に譲渡しています。このケースでは、少なくともアエルからJ.P.モルガンへの債権譲渡通知後の過払い金(譲渡時点ですでに過払いであれば、譲渡後に支払った金額+過払い法定利息)はJ.P.モルガンに対して過払い金返還請求できるはずです。J.P.モルガンに請求すると、何故かエヌシーキャピタルが、うちが処理すると言って出てきますが。この場合に、アエルからJ.P.モルガンへの債権譲渡前からの過払い金まであわせてエヌシーキャピタルに請求できるかについては、いろいろハードルがあるように感じます(それに果敢にチャレンジしている弁護士もいますが)。