■所有権留保に関する平成22年6月4日最高裁判決
お疲れ様です。
皆様の知見をお聞きしたく投稿しました。よろしくお願いします(現在、自己破産予定での受任通知を出して10日位経った所です)。
1. 自動車ローンを組む場合、いわゆる平成22年判例以降は「ディーラーが(車検証上の)所有権者、信販会社が債権者」というズレたケースは消えて行き、信販会社が車検証上の所有権者になって行くのかなと思っていた所、先日来所した依頼者のケースでは、未だにこのズレた旧来のパターンでローンが組まれていました。実情として、まだまだこういう組み方が多いのでしょうか(自動車業界や信販会社は、この判例を軽視している!?)?
2. 当方のケースでは、新車(外車)を購入して2年位しか経ってないケースですが、ディーラーが(車検証上の)所有者、信販会社Aが債権者、信販会社Bが保証人、となっています。当方と電話でやり取りしているのは信販会社Bのみで、実質的にはここが仕切っている様なのですが(←他は利益のみ吸い上げる!?)、このBが「車を引き上げてオークションで売って、その売価をB(乃至A)の債権に充当する、そうする事でも同時廃止事件として申し立て出来る(各地の裁判所で管財事件に移行を命じられたことはない)。だから、そうしなはれ」というのです。平成22年判例の下では、理論的には、売価を(債権者平等原則で)按分に配分するのが筋と思われ、管財人ならそうすると思うのですが、申立代理人段階で、売却を済ませてしまい、その売価を(総債権額の9割位を占める)信販会社B(乃至A)の債権にのみ充当する事を黙認した場合、同時廃止事件で済むのでしょうか?総債権額に占める割合が小さいにも関わらず売価を信販会社Bが総取りした場合だと、恐らくは、管財事件への移行が命じられると思うのですが、ここら辺の実情はどうなっているのでしょうか。御教示願います。
7/31 17:16 うーん、評価額高そうですね(その高級外車特に生活に必要が...
うーん、評価額高そうですね(その高級外車特に生活に必要が無いか)
その判決以降の具合は経験ないですが、以前はそのケースの車の売却で、オークションで、売却後、その売買代金を充当後の新しい債権の債権調査票を出してもらって、その債権額で無事同時廃止、免責に至る、のことはできていました。(ただあまり高額でない国産車が多かった様に思いますが)
車、返さなくて、先に、裁判されても良くもないので悩ましいです。
方法は3つ、①車そのままで、同時廃止。②そのままで管財、③引き渡して、同時廃止、
どうですか?それ自体よりは、たぶん、他に懸念の複合が無いとか、ありそう、とか?の具合が、管財との線引きを決するように思って良いと思います。そこだけが懸念で他がいわゆる綺麗な案件であれば、引き渡して、新しい債権調査票を出してもらって、その債権額で同時廃止を申立てる。確かに若干のドキドキはあります。が管財移行になったらなったで、ある意味、もともとです。で、それを悩んで、管財で初めから申立する訳でもないです。
のように感じました。
7/31 20:45 はく様、コメントありがとうございます。 私は、新しい判例...
はく様、コメントありがとうございます。
私は、新しい判例にのみ注意していて、高級品か否かという視点は忘れていました。気付かせて頂き、助かりました。
もっとも、300万円位の外車で、驚く程の高級車ではないし、又、いわゆる派遣切りにあってローンを払えなくなった依頼者なので、恐らくは、免責不許可事由の浪費に該当したとしても、裁量免責になるのではないかと予想しています。
問題は、やはり、新しい判例と思われ、失礼ながら、はく様の言われる1⃣は、今やもう無理になっているはずです(少なくとも、大阪地裁では管財に移行となると思う)。
多分、勉強家でビビりの弁護士さんなら、はく様の言う2⃣で行き、依頼者には、管財費用の20万円を貯めさせるのでしょう。他方、依頼者の為にリスクを背負う実力派弁護士さんなら、3⃣で行くのでしょう(総債権に占める当該債権の割合や他の免責不許可事由の存在なども考慮する必要ありますが)。
いずれにしても、新しい判例に対応した(車検証上の)所有者名義にしない信販会社やディーラーには、苦労させられますね。
8/1 9:41 管財人が否認するかもしれないものを 申立代理人が任意に引...
管財人が否認するかもしれないものを
申立代理人が任意に引き渡したら
弁護過誤になる可能性もあります。
ただ、この最高裁判例については
裁判所毎に実務に取り入れているところと
取り入れていないところがあるみたいなので
裁判所に確認するのが一番良いと思います。
最高裁の判断以降も車検証上の所有者が
ディーラーになっているのは、
おそらく、適用になる事例が極一部だからです。
債権者からしたら、この判断のために
全件対応するより,個別対応した方が
費用対効果が良いのだと思います。
保険会社が金額の小さい保険申請に対して
たいした調査もしないで保険金を支払ったり
するのと同じようなものです。
一般的ケースの場合は、販売店で車を購入し
信販会社でローンを組むと思います。
このときにローンの審査が通ってから
1,2ヶ月すると信販会社から販売店へ
代金が支払われます。
ここで本来は登録名義を信販会社へ
変更するべきですが
一件につき数千円かかるので
変更しないと言うことになります。
最高裁判断が適用しない例としては
信販会社が販売店の集金代行という形態で
販売店に一括ではなく、都度払いをして
債務不履行の場合に信販会社が保証人として
販売店に一括払いするケースくらいだと思います。
8/1 10:28 9a3~様、コメントありがとうございます。 弁護過誤の点は承...
9a3~様、コメントありがとうございます。
弁護過誤の点は承知しており、申立代理人の行為規範として、やってはいけない行為なのは、22年判例が教える所です。
にもかかわらず、そういうリスクを背負ってでもやるか?という問題提起でして、本件では、総債権額の9割以上がオートローン債権であり偏頗弁済の度合いが少ないし、又、貧しい兄弟が保証人になっているので残債務を早期に減らしてやりたい要請もあります。
実際に売却してしまってから、同時廃止で申し立てたら、裁判所は管財移行を命じるのか?そうすることで、貧しい依頼者に別途、管財人報酬の20万円を積み立てさせるのが本当に正義に適うのか?などなど。
最終的には、弁護士の判断ですが、理論や理屈だけでは済まない問題かなと。
登録名義の実情についてのご教示も感謝致します。
尚、当方が去年に大阪地裁で経験した話ですが、車を持ったままのケースで、集金代行という理論構成の債権調査票を添付して同時廃止で申し立てたところ(はく様の言う1⃣)、裁判官に一蹴され、管財移行を命じられました。他の事情も加味されているかもしれませんが、大阪では、22年判例がかなり強く(広汎に!?)適用されているようです。
(最後に。個人的な話ですが、私は、現在、夏期休暇中ですので、今後、コメントやお叱りを頂いても、以降の返信は月曜になってしまいますので、ご容赦下さい。)