■破産管財:労働債権の認否
久しぶりの書き込みです。
どうにもよく分からないことがあります。
うちの事務所の者は考えすぎて混乱しているので、みなさまのご意見をいただきたいです。
しばらく給与未払いが続いていた破産会社の管財人をしています。
立替払の請求済み。
お聞きしたいのは労働債権の社会保険料等の認否です。
健康保険・厚生年金・労働保険などについてです。
これらの保険料もしばらく未納でした。
例えば健康保険について。
まず、退職するまで加入していたので、
各々従業員の退職までの保険料が交付要求されています。
健康保険料については5割会社負担でした。
半年ほど給与未払いだったため、その間、本人負担分の徴収はしていません。
給与が未払いだったとしても、保険料の支払い義務者は会社であると、全額交付要求されています。
それに対して、立替払の請求や労働債権の届出は控除前の額が基本とされています。
ここで、財団債権は弁済できるほどの破産財団が形成され、交付要求に基づき、健康保険料を弁済したとします。
また、立替払も従業員に払われました。
そこで労働債権の認否についてです。
届出は控除前の額でされていますが、(一部労働者福祉機構に移します)
健康保険料については、会社負担分・本人負担分とあわせて財団で弁済しました。
本人負担分について、労働債権額から差し引かないと、従業員が得をしていませんか?(言い方悪くてすみません)
本来は自分が払わなければならない分を破産会社が払ってくれているので、
届出債権から減らすべきじゃないのか、と考えています。
現在、財団債権・優先的破産債権を一覧にしてみると、
健康保険料を交付要求と労働債権で2重計上しているように感じるのです。
この感覚は間違っていますか?
できるだけ一般債権の配当に回したいので、労働債権が減るならありがたいのですが、今まで気にしたことがなくて・・・
本来、どうするのが正しいのでしょうか。
手引きなどには一切書いていません。
厚生年金・労働保険・源泉所得税など、本人負担分があるものについてすべて同じ疑問です。
余計なことを考えすぎですか?
よろしくお願いします。
1/24 16:22 澪姫さまの感覚は間違ってないと思います。 というか、大事...
澪姫さまの感覚は間違ってないと思います。
というか、大事な感覚と思います。何しろ破産は公平な配当をするのが仕事ですから。私がいうのもおこがましいですが。
が、ご疑問に回答できる十分な材料はありません。すみません…。
とにかく自分も同じ件について調べたことがあります。手引きなどはご覧になったとのことですが、青林書院「破産管財実践マニュアル」286ページはご覧になりましたか?
ここにはやはり、「社会保険料の交付要求がある場合、未払労働債権の支払の際、元従業員の負担部分を控除して支払わないと、破産財団としては、二重の負担となる可能性があります」との指摘があります。
が、実際控除するとなると、相当めんどくさい事務作業が必要になります。場合によっては、費用対効果的にそこまでやるべきか悩むこともあるかもしれません。
ところで、労働保険料の確定申告はしてらっしゃいますか?申告により交付要求の額が変わる場合があります。
頑張って下さいね!
1/24 16:52 さっきの投稿の追加です。 源泉所得税については、事業主負...
さっきの投稿の追加です。
源泉所得税については、事業主負担部分はなく、本人の給料を原資として支払われるもので、雇用側が納付作業をしているだけです。
で、源泉所得税の仕組みは、一種暫定的に、給料の額と扶養家族数に応じて決まった額を機械的に天引きするだけで、最終的な各従業員の年税額は、年間トータルで年末調整ないし確定申告することにより定まり、清算されます。
普通破産事件では、従業員は解雇済みなので年末調整はできないことから、当該従業員が確定申告し、所得税を納めるか還付を受けることになります。なので、管財人は気にせず源泉徴収せずに支払い、あとは従業員の確定申告にまかせればよいのではないしょうか。少なくとも、管財人の労働債権からの所得税の源泉徴収義務については、H23年1月14日最高裁判決で否定されましたので。詳しく調べたければ、新しい解説書では触れられていると思いますし、当該判例の評釈などをお読みになるといいと思います。
1/24 17:59 ありがとうございます。
ご丁寧に回答いただき、ありがとうございました。
教えていただいた書籍も確認しました。
安心しました。
と同時に、作業量にうんざりしています。
本当にみんなこんなことやってらっしゃるのかな?(^^;)
労働保険の申告はしてあります☆
源泉所得税については説明が足りませんでした。
本来は給与未払いで発生していないはずの期間の交付要求が来ていて、
問い合わせたところ、未納だったので調査をしたら「給与は支払ったが源泉所得税は未納」という回答が会社からあったので、
滞納分として計上しているとのこと。
誰がそんな回答をしたのかさえ分からないのですが、
これらも本人負担分が交付要求されてしまっているため、労働債権からは控除しないといけませんね。
先は長いですが、とにかくがんばります。
ありがとうございました!
1/24 18:00 一応・・・ 未払い賃金は退職所得扱いです
一応・・・
未払い賃金は退職所得扱いです
1/24 18:08 >e85b3f5c67e4の匿名さま あぁ! そうですね。 という...
>e85b3f5c67e4の匿名さま
あぁ!
そうですね。
ということはその期間に該当する源泉所得税の控除はふさわしくないですかね・・・
会社が虚偽の回答をしたために発生したのですから、会社が負担するべきなのでしょうか。
やっぱりよくわかりません。
1/25 12:50 未払い賃金は退職所得扱い、というご回答がありましたが、退...
未払い賃金は退職所得扱い、というご回答がありましたが、退職所得となるのは機構が立替払いする未払賃金だけのように思うのですが(租税特別措置法29条の6)、管財人が行う給与部分の配当も、退職所得扱いになるのでしょうか?教えていただけると嬉しいです。
いずれにしても、澪姫さまのご質問の件は、源泉所得税に関しては、管財人には労働債権の配当時の源泉徴収義務はないので、控除などせず淡々と支払えばよいと思います。払い過ぎ等があっても確定申告で正してもらえばいい話です。
澪姫さまのおっしゃる「会社が虚偽の回答をしたために発生した」というのはよくわかりません。
会社が誤ったことを言って(給与を払ってないのに払ったと言った)、それをもとに誤った交付要求がなされたのであれば、役所にその旨を告げて(実際には給与は払われてない)、交付要求をやり直してもらうべきではないでしょうか?